OWLで強いチームは下位チームと比べ、Goatsのような動きができてた
OWはじめて3ヶ月の新人チームのコーチを僕が受け持ったつもりで講義する
Goatsとは2019年6月の2-2-2ロールキュー導入まで可能だったこの6人でヤギ(Goat)のように全員で突っ込んで殴り殺す構成
Goatsは OWL(Overwatch League) 2019 Stage2 Finalが頂点
ルシオブリギッテでタンク3体を範囲ヒールし、4つのバリアや盾で味方を守り、ラリー、サウンドバリア、虹彩でさらにもりもり体力回復し、ゼニヤッタザリアの火力で焼きつつシャターやサージを決める。ワンショットで死なないタンクとブリギッテ集めゲームシステムの最適解をついた凶悪構成
最強すぎて1年間で何重にもタンクとブリギッテはナーフされ続け、逆にDPSは火力最大バフし、最低距離減衰30%から50%にも引き上げられた。しかしどれだけナーフされても競技シーンはGoatsナーフと同じ速度で練度を上げ続けDPSはいらない子に。みんなミラーで殴り合う以上地形の違うMapも選ぶ意味はなくなり、これ以上タンクナーフするとGoats構成以外で使えないゴミになるという所で2-2-2のロール制限ができてGoatsは終わった。んで2-2-2はタンク不人気すぎてマッチングしなくなり 5vs5 のOW2になった
パンダチーム除くOWL19チーム全て同じミラー構成で不評だったが、チーム対戦ゲームとしてはこの構成が6人全てが大事な役割を持って均等に重要だった点が素晴らしかった
スナイパーメタであればウィドウだけで勝負が決まり、トレーサーメタでもタンクメタでも、パッチごとにキャリープレイヤーが偏るのがOWシーンであったが6人全てのプレイヤーが等しく機能してるのはGoatsが初。試合はめちゃくちゃで何やってるかわからんし、DPSプレイヤーは引退したりもしたが、タンクとサポートそれぞれのシナジーや連携度が問われるこの構成が好きなファンも多い
OW2はタンク1人のためGoatsはできなくなった
2022 OW2ベータ版におけるジャンカークイーンラッシュ(アッシュのときもあり)がJoatsと呼ばれ近いではあるが、JQのナーフやその後の火力マシマシ調整で数ある構成のひとつとなった
しかし強いチームは今でもGoatsの大事な部分を取り入れている
構成ではなく立ち周りの話
1.味方をカバー、敵をフォーカスできる直径20m範囲で戦え!
ゼニヤッタTwilightの位置を見て欲しい。体力200で移動スキルもないが味方から最前線20mから離れない位置で絶対置いていかれないようにくっついている。Goatsでゼニが浮いたらすぐ死ぬ。シーズン9のOW2環境がフランカー強いため後ろで構えるのはカバーしづらく同じような事が言えるかもしれない
もちろんトレーサー、エコー、ボール、ドゥームが味方の直径20m範囲で戦えというわけではない。しかしここを自陣としてカバーを受けに帰ってこれるように、この近くで一旦展開しつつ、フォーカスもヒールも都合良い基本陣形にすぐ戻るということを意識する
アナやゼニでも(敵豚のフックが届かない)20mギリギリの距離までリスク取って勝つ。その距離での戦い方、カバー、フォーカス連携を覚えよう
ただしこの2人のように味方がコンパクトに展開してると困ることもある。マーシーは味方が近くてガーディアンエンジェルで飛べず、ライフウィーバーもグリップが近すぎて意味なくなるため、ヒーローによってはもっと工夫が必要になるだろう。まあシーズン9の競技シーンでこの2人はもとから難しく選びづらいが
ちなみにロールキュー導入以前、GoatsのDvaはマトリクスが15m届いたから誰かがカバー叫べば振り向いて守れたという理由もある。今のマトリクスは10mだが、ザリアのバリアでも、バッシュでもウィップでも、ルシオのブープでもいい。20m内で味方が繋がってるならカバーしやすい
下の数値は読まずに流していいが、OWは攻撃スキル、防御スキルともに15m以下の範囲が多い。長くても20m。Twilightの位置なら敵とはちょうど20m以上。Goatsのゼニヤッタの位置こそ、機動力ないバックラインでも引きすぎず、前に出すぎず、でも遮蔽物向こうに詰めるときは一気に詰めて味方に置いていかれない距離感
(2024 2/22パッチ)
[Dva]
マトリクス 10m
キャノン 距離減衰 10-20m
自爆 6-20m
[ドゥーム]
ハンドキャノン 距離減衰15-30m
スラム 90度 18m
メテオストライク 8m
[ジャンカークイーン]
シャウト 15m
ランページ 中心から5m
[マウガ]
オーバーランスタンプ 7.2m
オーバードライブ 10.5m
ケージファイト 7m
[オリーサ]
テラサージ 9m
[ラマットラ]
パメル(パンチ) 10.5m
貪欲の渦 4m
ULT アナイヤレーション 13m
[ハルト]
ハンマー 5m
シャター 20m
[ホッグ]
フック 20m
[シグマ ]
アクリーション(メインショット) 約20m+爆発
フラックス 8m
[ウィンストン]
テスラキャノン 8m
[ボール]
クアッドキャノン 距離減衰 15-25m
パイルドライバ 8m
[ザリア]
パーティクルキャノン(メインレーザー) 15m
味方バリア 30m
グラビトンサージ 6m
[アッシュ]
距離減衰 20-40m
ダイナマイト 5m
コーチガン 9.4m
[バスティオン]
偵察モード アサルト共に 距離減衰 30-50m
ULT 砲台 6.5m
[キャスディ]
ピースキーパー 距離減衰 25-35m
コンバットロール 6.2m
[エコー]
フォーカスビーム 16m
[ゲンジ]
風切り 約15m
ULT 龍撃剣 5m
[ハンゾー]
ULT 竜撃波 半径4m
[ジャンクラ]
タイヤ 爆発10m
[メイ]
ブラスター凍結 10m
壁の幅 25m
ブリザード 10m (直径20m)
[ファラ]
ジェットダッシュ 11m?
コンカッシブ 6m
[リーパー]
距離減衰 10-20m
レイスフォーム距離 約25m
シャドウステップ 35m
デス・ブロッサム 8m
[ソジョーン]
パワースライド(スライディング) 14.3m
ディスラプターショット 4m
[ソルジャー]
距離減衰 30-50m
バイオティックフィールド 4.5m
[ソンブラ]
距離減衰 15-35m
ハック 15m
EMP 15m
[シンメトラ]
フォトンプロジェクター(メインビーム) 12m
タレット 10m
テレポーター 30m
[トールビョン]
タレット 40m
[トレーサー]
距離減衰 10-20m
ブリンク 7.5mx3 (22.5m)
[ウィドウ]
フック 20m
[アナ]
バイオテックグレネード 4m
ナノ 40m
[バティスト]
バイオテックランチャー 回復 3m
リジェネティブバースト 10m
イモータルフィールド 6.5m
[ブリギッテ]
インスパイア(範囲リジェネ) 20m
ロケットフレイル 6m
シールドバッシュ 12m
ウィップ 20m
パック 25m
ラリー 8.5m
[イラリー]
距離減衰 30-50m
ソーラーライフル回復 15.3m
アウトバースト 8.5m
ULT キャプティブサン 8m
[キリコ]
御札 35m
神鬼出没 35m
鈴 5m
狐 25m
[ライフウィーバー]
若返りの風 6.15m
ライフグリップ 30m
生命の樹 12m
[ルシオ]
サウンドウェーブ(ブープ) 8m
クロスフェードヒール、スピード 12m
サウンドバリア 30m
[マーシー]
カドゥケウススタッフ (回復 ブーストのひも) 15m (ヴァルキリー30m)
ガーディアンエンジェル ターゲット 30m (ヴァルキリー 60m)
リザレクション 5m
[モイラ]
グラスプ ヒール 15m
グラスプ スチール 20m
オーブ 5m
フェード 15m
コアレッセンス 30m
[ゼニヤッタ]
調和 不和 40m
虹彩 10.5m
2.でも固まりすぎるな。20m範囲で距離を取れ!
(ここはチョークポイントゆえ仕方ないが)
くっつきすぎず適度に距離を取るのも大事だ。固まりすぎて同じところから顔出すとファイアストライクを全員食らったり、適当なパチンコが必ず誰かに当たって事故ったり、ULTでみんな捕まる。なので20m内の適度な距離は保ち、でも離されないようにする
広く大きく展開するのではなく、一個師団として連携取れるコンパクトサイズでサイドへ展開しよう
3.ダウンタイムを極力短縮せよ!!
ソンブラやボールで言えばわかりやすいだろうか
パック取りにいって戦闘に参加してない時間が5秒もあればその間の味方は4vs5である
OW1の記事だがソンブラのダウンタイムを減らすため世界一のソンブラLipのWキー壊れた立ち回りはすごい。OW2になってソンブラ2度リワークされたが必ずしもセットアップにこだわらず最大限にダメージ出して敵の気を引き、トレーサー以上にダメージとキル稼ごうとするのは変わらない
しかしソンブラはそもそもスキルセットが弱い
継戦能力のない移動スキルは撃たれたらすぐ逃げなければならず、ULTのEMPすら弱い。サブマシンガンは火力あってもワンマガ打つ前に追い返されるため、キャラパワーとしては 5.5人で6人を相手にしてるようなもの
ソンブラがずっと刺さらず、でもペイロード押し切られる直前のwave抑えたら、なぜか敵もソンブラに変えてそのまま敵側のソンブラも刺さらず相手が自滅したリーグ試合は何度も見た。OWLチームにはソンブラのカウンターにソンブラを被せる方針があったから。
対面弱い分、敵の情報を取り、先手を取り、チョークポイントも抜けやすく、味方とフォーカス合わせやすい点で有利を取りたい。その有利が難しい。リーグでもLipだけが勝率50%超えて他は40%台。でもなぜか2023年の夏(シーズン6)からHeesu MN3 Birdring Edisonの4人がソンブラ覚醒し、裏取りの回数を控え、前線でコンパクトに展開し続け居座って火力出しまくるLipのような運用で結果を出し始めた。それでもOWリーグ6年かけて5人しかうまく刺せないぐらいには難しい。
コンセプトのポテンシャルを活かすにも継戦能力出す難易度がトレーサーよりはるかに高く、チャンス作る前に追い返され味方が潰されてしまうか、チャンス作ったつもりが自分は戦線離脱中で結局人数有利にならないとか
ソンブラの話はリンク先の記事に譲るとして、Lipと同じように
全てのキャラでダウンタイムを短縮する研究をしよう!
Goatsはみんな近距離で殴り合う構成なため、パックを取りに行くようなダウンタイムは発生せずみんな近くで連携が取りやすい。お互いのゼニヤッタも最大限仕事するためデッドラインギリギリまで前に詰める。これも仕事をしてない時間を減らすためのリスクテイク
後ろすぎると前線が遮蔽物に隠れて火力フォロー出せずに味方のタンクが先に落ちる。
自分が死ぬリスク背負ってでも、前に火力圧を出して前線有利を取らなければいけない。自分か誰か死んでもチームがWaveに勝てばいいのだ。競技シーンで勝つにはデッドラインぎりぎりの前線でミクロの駆け引きを覚え経験積んで強くなる必要がある。AIMで1vs1 勝つだけでいいだけならCarpeやSayaやANSやDiemがあれほど苦戦したりしない。
リーガーでもゼニヤッタの右クリックばかり使う選手と、左クリックを多く使い総合火力重視な選手で別れた。バースト火力、ワンピック力でいえば右クリ。盾を割ったりタンクの体力削るならDPS倍出る左クリ
Goatsの場合はタンク3人にバリア盾が4つあるため、ルシゼニのワンピック狙うより左クリックで削る方が効果的ではあった。もちろん乱戦中の敵がこっちに気づいてなくて右クリスナイプ狙えるなら狙ったほうが良い
OW2 シーズン9でHP増えたから、先に敵タンクの体力削ってエリア有利取るほうがいいか? だからこそあえてゼニスナイパーとしてワンピック狙いがいいか? 時と場合で答えが違う。チャージしてる時間でDPS半分に減らすのも、無駄に盾やタンク撃ってるのもダウンタイムにつながるかもしれない。どっちが仕事量最大化につながるか試合の場面ひとつひとつが研究対象やチーム連携方針になるだろう
もう一つ例を出すと、OWLにはゼニヤッタやアナを守るためのルシオやブリギッテ採用がよくある。ルシオやブリギッテが先にイキってもみんなOWLのチートレベルAIMに撃ち殺されてしまったため、パッシブにひたすら相方を守るナイトとなった。
しかし後ろにいるだけのルシオやブリギッテで仕事をこなせるだろうか?
相方を守るという仕事は100%できるかもしれない。しかし強チームに本当に必要だったのは、ここぞという乱戦のタイミングで相方をバックラインに置き去りにし、自分でベイトしたり火力出したり、前線でDPSと一緒にフォーカスするChiyo Bliss Chorong Viol2t のようなルシオやブリギッテだった。
相方を守ってるだけではダウンタイムが長すぎる。定石をやぶって死ぬリスク取ってでも仕事量増やせるか。Viol2tがこれまでのリーグにないスタイルのルシオを開拓したように、それぞれのキャラにはOWリーガーでもまだ共通見解見いだせない奥深さがあるかもしれない
2つ前にモイラ最強の記事を書いたが
では、この構成でモイラはヒール回せるだろうか?
トレーサーやエコーには追いつけないし、遠距離ヒールができなければDvaも帰ってこれるか怪しい。バラバラに展開するなら自分も一緒に飛び込むためフェード使うこともありそうだが、なかなかリスク高い
この構成を使ったFinnのOWCS KRオープンを見て欲しい
相手はContenders KR選手中心のRevival。Finnのチームはみんなトップリーガーなので勝てるだろうが、Contenders KRはリーグに劣らない選手も多数いるので侮れない
だけど破壊。ここまで来るのにFinnやバックラインがトレーサーとボールに襲われてるが、5人が連携取れる距離で戦って、後ろから撃たれる分きっちりヒールし、ちゃんと2階から詰めていく
動画通して見てもらうと分かるが、トレーサーエコーDvaが一旦遮蔽物経由で離れても、すぐ狙ったフォーカス場所に集まってくる。アメーバのように5人のフォーカス、カバーの射線が通るように動いて、モイラでこの5人をちゃんとヒールしてる。野良だったらこんな連携取れないのでキリコの御札かゼニの調和だけでなんとか頑張ってほしいところだ
前線で戦ってることもあってかFinnのモイラはリスクを取り、画面映ってる間ずっと仕事している。モイラのダウンタイムを減らし、仕事量を最大限にしようと細かなテクニックや、Viol2tとの連動も評価高いポイントだろう
つまりGoatsという構成の問題ではなく、OWLで強いチームは
一個師団として素早くコンパクトな展開から、カバー、フォーカスの取れる直径20m範囲に戻る有機的な動きがうまい
デッドラインのリスクギリギリまで前に出る事でさらに勢いを増し
自分のダウンタイムを減らし、最前線360度で戦えるフィジカルを鍛え、最大限のフォーカスとカバーをする細かな連携研究に余念がない
Overwatchは5vs5になろうが、どんな構成だろうが本質はGoats。線でつながった有機的な連携とれるラッシュが最強だ
スナイパーやマーシーウィーバー使おうが遠距離ラインでも味方との有機的な相互接続を切らないカバー、フォーカスの戦い方で展開と集合ができればよい。
デ・カイパー志熊さんがClankさんの記事を初心者に落とし込んだためになる記事がある
Goatsはフォーカスできるアサルトであり、コンパクトな展開であり、お互いのカバー効く集合と防御でもある。この3つを高速に切り替え、あるいはどれか同時に行えるから強い
なので強いチームは本当に圧倒的だし、強いチーム同士の戦いはとてもゲームスピードが早く面白い
実はこの感覚、みんなランクマで経験してるかもしれない
なぜか1週目よりうまくいくペイロード2週目のOverTime
必ず誰かがペイロードを押し、みんな車から付かず離れず味方全員見えてカバーとフォーカスが繋がってる状態。ペイロード中心に固まって連携してたらなぜかバラバラに戦ってた1週目よりずっとうまく連携が取れて、敵からくる致命的なULTさえ野良でうまく対処できるやつ。なんでそれが最初からできないのかw
OWLでもこの現象よくある
サーキットロイヤルやペイロード第3ポイントでスナ対決するんだったら知らん
それをかいくぐる戦術編み出すか素直にAIM鍛えるんだ
細かいこと言えば、地上で5人繋がってても高台のウィドウアッシュソルジャーほっといて動くわけにはいかないので先に降ろす動きをみんなでしようとか、後ろにトレーサーやキャスディいてもそれに気づいたコンマ秒の判断でルシオ使って前の3人を轢き殺そうとか。判断早ければ追いかけてくるトレーサーもブリンク3回使わせガス欠なったり、距離減衰あるキャスディは転がっても追いつけないで転ぶだけとか。逆に1、2秒報告や判断遅れたらもう追いつかれるためコールの決め事作ったり、常に前狙う準備しとくとか。1vs1するのではなくいかにランチェスター戦略で 5vs4、3vs2、2vs1 に釣って引き込むか、あるいは追い込むか。 みんなで上や右行くとフェイクかけるときのコールとか
まあ、あまり難しく考えないでも、味方4人の場所は壁越しに見えるし、敵の位置もピン差したり、ある程度予測できるから、ダウンタイムを減らし続け仕事量の多さで何度も揺さぶりかけ、そのタイムアタックが短くなるほど自然とランダムなチャンスが生まれる。Lipのソンブラを見よ。
スクリムや自分のリプレイコード見直して、LipやFinnなみにずっと仕事し続けられてるか、Wave始まってるのに妙なダウンタイムはないか、そこをもっと短縮できないか、味方とフォーカス、カバーできる動線繋がってるか、動線繋がってるなら死ぬリスク取ってさらに仕事増やせないか、自分が死んでもチームが勝てばいい、など見てみるといいだろう
僕自身は全然フィジカル強くないし、こんな記事書いてもプレイヤーとしてリアルタイムで頭や腕が追いつくわけでもない。キャラ、戦術、構成、それぞれの理解度はみんなの方が高いだろう。これから生まれてくる新チームたちよ。だからこの先は、、、打倒韓国! 打倒Team Falcons!! 未来は任せたぞ!