beansgunのOverwatchメモ

ブロンズプレイヤーがAIM研究やオーバーウォッチリーグを楽しむブログ

【長文レポート】Overwatchに裏取りは必要ない

いや、ときには必要だよ?

1.
なにも敵のシグマバスティオンウィドウハンゾーアッシュキャスディに対して正面から突っ込もうと言うわけではない

2.
きついチョークポイント抜けるのにサイド取らないのもおかしい

3.
人数不利のときULT無しで正面から当たっても勝てるわけない

4.
防衛でセットアップの時間あれば裏に隠れるのはとても有効

5.
その対策として攻めはサイドのクリアリングも必要


それ以外、ほとんどの場面で裏取りいらない
まず正面のあたりあいで勝つのが一番シンプルで一番大事


前回の記事「Goatsのように味方全員連携できる範囲でコンパクトに展開しよう。ヒーローそれぞれのダウンタイムを切り詰める研究をしよう」といったって具体的にどうすりゃいいのよ? の一つの答えが「裏取りするな」


一番わかりやすいトレーサーで説明しよう
現シーズン9最強フランカーであるトレーサーに対して「裏取りするな」「裏で1vs1するな」「正面で戦え」とするとちょっと常識外れだ。なんでこのヒーローを選んだ? 正面から戦うならソジョーンやアッシュやキャスディでいい


「裏で1vs1するな」
というのはまだ納得できるだろう。確実に実力差があって勝てるならいい。しかしハイリスク

このゲームはチームゲームなので、キリコかルシオかゼニの調和にカバーしてもらって2vs1になれば確実に勝てる。人数有利で戦うのが大事



じゃあサポと一緒に動いて2vs1で裏勝てばいいか?
というとそうでもない。
同じタイミングで正面本隊の3vs4が負けたら、あとは2vs4で戦わないといけない。
正面が運よく一人削っても2vs3だ



じゃあ正面負けないよう、やっぱりトレーサー1人で裏回ってもらい正面は4vs4しよう!
となると、裏のトレーサーを牽制しながら5人の近くで戦う敵トレーサーは1発ヒールをもらえる。深く裏取った青トレーサーはヒールもらえない。死ぬか逃げ帰ってくるしかない。味方の射線から離れるより、味方のカバーが届く範囲の5人で戦ったほうが強い

 


トレーサーはこのいったりきたりしてる間がダウンタイム。ブリンクがあるのでそれはほんの3秒程度かもしれない。しかしWaveが始まって3秒寝てたら戦犯だ。自分が裏取ってる間に正面の味方がやられたとか、自分がちょろちょろ牽制攻撃してる間に正面味方がやられたらそれは先に死んだ味方が悪いのではなく、戦闘にうまく参加できずダウンタイムの長いあなたの責任だ


これは競技シーンにおいてソンブラやひたすらサイドを走り回るソルジャーが弱い理由でもある。ソルジャーはサイドや高台からフリーで撃てれば強いが、スプリント程度ではフランカーと目があった瞬間に逃げなければいけない。それだとダウンタイムが長すぎる。Overwatchリーグでは中国SparkのShyがソルジャーでよくそういう運用をしていたがスクリムとは感覚違うのか、毎回出しては刺さらず引っ込めてた


最近の競技シーンでソルジャーが刺さってるのはエスペランサ
両側の橋上をとってロボットコントロールするのが強い
サイド走り回ったり裏とり運用で強いわけではなく、正面高台を抑えてからが強いのであえてロボットをそこまで引き込んで戦ってる


正面で戦うならトレーサーじゃなくこの3人でいいのでは?

もちろん戦うヒーローを問うわけではないが、トレーサーは「コンパクトに展開しやすい」という大きなメリットがありタンクじゃないのに正面エリアを確保しやすい



OWにはMAPによってたくさんの遮蔽物もあり、5人固まって出ようとしても250族が先に顔だすと事故死しかねない。ULTかタンクスキルでもう少しエリア取りたい



複数の射線を確保するため、チョークポイント抜けるため展開したいが、ここでソジョーンのスライディングや、コーチガン、コンバットロールを切って横に展開するわけにはいかない。逃げスキルを先に使ったDPSは一気に分断されて死ぬ。トレーサーはブリンクをうまく使うことで、ひとつひとつ遮蔽物のエリアを展開していくことが可能だ。DPSなのにその機動力でエリア確保という仕事を遂行することができる。この細かな展開でオフアングル狙ったりヘイト散らすのが正面で戦うのに強い

 

LIPはNo1ソンブラだが、ProperやStalk3rがリーグ入りする前は10分間の数字上No1トレーサーでもあった。個人的にはこの3人がベストトレーサー。

OWCS KR。LIP先週のPOVを見てみよう

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初動一撃目正面。3人に弾を当てLipも被弾


すぐ2撃目正面。敵もLIPもヒールもらいつつドゥームを牽制
KALIOSドゥームはトレーサーに飛び込んでもしょうがないので狙いを選ぼうとしてるところを撃たれてる。ここはもうLIPがエリア確保



3撃目オフアングル正面。ドゥームとルシオを牽制。もうJunbinが裏まで飛び込むタイミング

なぜGenesisが初動でこんな追い込まれてるのかは後にして
特に決定打ではないがローリスクで確実なエリア取りと体力削り、3マガジン2ブリンクで有利をとるLIP

リスク取って敵ドゥームとびこしルシオを狩りに行くか??


LIPは行かない。4撃目もオフアングル正面。ルシオを狙わず(すぐJunbinが倒してくれたけど)、あくまで前方へフリーで安全に撃てるドゥームにフォーカス


5撃目 体力瀕死に追い込んだドゥームを狙わず、ルシオのカバー?にきたDecayをフォーカス。ここも「安全」に「正面」から「オフアングルの敵」を「削り」にいく
(オフアングル=こっち見てない敵)

LIPは「キル」を積極的に狙ってるのでなく「ローリスク」で「最短距離」で「オフアングルの敵」から「エリア確保」と「ダメージを稼ぐ」事に集中している


これは何もトレーサーの話だけではなく、LIPがソンブラやアッシュを使っても同じ。他のプレイヤーより1.5倍ぐらいULT回転が速いが、実際に最短距離で1.5倍マガジンを撃って敵の体力を削り、エリア確保に貢献している。どのヒーローもダウンタイムが短く、マガジン回転率が速いのだ。OW1のソンブラでも余計な裏取りはせずパックから敵へ一直線、たとえ正面でも一直線に敵へ向かっていった



6撃目 Decayは大パックを取りに隠れる。ブリンクは使い切ってる可能性高く、こっちは人数有利でリコールもあるし追い詰めるか?


7撃目 行かない! Lipは1vs1しない!
Decayがブリンクないならわざわざ互角の戦いせずとも、あくまで別の敵へオフアングルフォーカス!!
人数有利の戦場を選ぶ正しい選択!




2wave目。あくまで正面。オフアングルからドゥームフォーカス!



Decayにサイド取られたぞ。勝負するか??



LIPは行かない!! あくまでヒールやカバー貰える自陣の連携範囲に撤退!
ここ引かなければ後ろから突っ込んできたKaliosドゥームのコンボに巻き込まれたかもしれない。
よし、スキル切ったドゥームフォーカス!?


いや違う、あくまでオフアングル取れて近い敵からフォーカス!



LIPはリスク取ってないせいかまだキルは生まれてない。でも絶え間なく削る



敵が複数ローでも無茶はしないで味方のところへ引く



あれ? Junbinは敵倒すつもりでリスク取って死んじゃった?
ついに人数不利 4vs5



人数不利から拠点取られるギリギリではじめてリコールリスクを取るLIP



パルスボムも「正面」から。プロなら裏取らずとも余裕!
人数有利に傾くかと思ったらDecayも大暴れで戻ったJunbinも崖に落ちNEXT



3wave目 リテイクはリスク取らねばならずリコール切らされるも、いったんDecayと痛み分け



お互い体制立て直しつつも、正面! 正面!



お狐しいても一番前の敵から! オフアングルで!

と、まあ3Mapずっとこんな感じ
次のキングスロウやエスペランサも愚直に正面からオフアングル狙います



キングスロウのこの場面は珍しくLIPが裏取りしてるようにも見えますが


ちゃんとペイロード上のアナからヒールをもらえるカバー範囲内で、これ以上無理はしません。ペイロード進んでるのでこのエリアを維持し、ただ相手の展開を抑えてるだけでよい



LIPがこの試合唯一裏を取ったのはHeesangが先にやられてリスク取りにいったとき
残念ながらTeruのウィップでパルスも外れ



本来なら2vs1で潰されるところですが、ペイロードが第2ゴール直前なため裏のトレーサーに2人割くわけにはいかずGenesisはいったん放置。この唯一の裏取りは結果的にうまくいきます。リスク取った流れで裏いった感じ

ひたすら敵の体力削って、人数不利とリテイクとオーバータイム意外では無茶せず、1vs1も積極的にしかけず、正面からオフアングルでタンクのようにエリアを広げ、結果的に小さな有利を何十回と作っていくLIPをぜひフルマップ観察してください



この試合の相手側モンスター、Decayのトレーサーも見てみましょう
2019にリーグ入り。当時30万ドルで契約したスーパーヒーロー

最初はグラディエーターズでGOATSザリアだったため、持ち前のDPSでは大きく差をつけれず。翌年から予算を絞る方向に動いたOWLで強いチームに恵まれず。しかし、2023、リーグラストプレイオフは強豪となったボストンチームでセミファイナルまで鬼神のごとく戦い抜きました。フィジカルに関してはやはりリーグトップクラス


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初動、LIPと同じタイミング、同じダメージを被弾します



LIPは銅像に隠れヒール受け取りましたが、Decayはひとつ前の射線を取りました
初動から二人の立ち回りの違いが現れてます

積極的にエリア取れたように見えますがHP74
Makaキリコが壁上って?ヒールをくれるまでDecayはうかつに動けません
Decayが立ち止まってるこの間、LIPは2マガジン余計に影響を与えることができました


Goatsのようにコンパクトに展開しようというのは、こうやって連携取れる位置で動こうということ
LIPはフルマップ安全でコンパクトな展開をしていましたが、Decayはわずか数秒味方のカバーラインから外れました



Decayの初動が必ずしも間違ってたとはいいきれません
フルHPならこの展開も正解
キリコが強気に左後ろ展開できてれば斜めにヒール通せたし
ルシオが一緒にここへ展開できても次の行動へ移れました
(ただTERUは本来ルシオ使いではなくフレックスサポート。メタの違いでルシオ担当に?)

なので味方全員が自身のダウンタイム発生させないよう、連携とカバーを繋げる動きを詰める必要がある



ヒールもらってDecay再起動。敵のバックラインへ向けフォーカスコールが入ったと思われます



KALIOSが合わせに飛び込んできますが、逆に自分たちのルシオが狩られる
キリコが中にいるので外の正面は2vs3 ルシオが死ぬのは当然です
たったブリンク1個の違いで連携に差が付きました

LIPが正面撃ってるだけで敵のエリア取れていった理由がこれです


僕は先程の図をペイロードの大きな裏取りのつもりで説明したのですが、韓国トップレベルの試合ではナイトマーケットのちょっとした遮蔽物ですらこれが発生しました。レベル高すぎ



2wave目の大パック取りながらサイド展開するのはよいムーヴ
これならサポートの手を煩わせません



Decayも無理せず正面削ってる場面は多いです、LIPに負けない強AIM



リスクを取り体力ギリギリまでHeesangを追い込みますが、フォーカス受けたのでリコール撤退。この記事ではこういった2マガジン空を見上げ続ける無茶は推奨しません



偶然ですが逃げ帰った先にJunbinがいたためフォーカスして倒せました
タンク落としたので拠点とれます
一応リスク取って前線を抑えたおかげでもありますね



WAC相手に3Kと大活躍。さすがのモンスターDecay



お互い狐の戦いでChoisehwanが落ちたのでいったん明け渡します



先に拠点を踏んで敵を釣る動き。真正面からダメージ出してるだけのLIPとは違いとてもトレーサーらしい動きです



けどすぐにフォーカスされ撤退。効果はいまいち。
もちろんこうやってブリンク切って外周回る間、LIPはひたすらマガジン撃ちます



さらに外周大回りで追っかけたHeesangをパルス撃破!

うーん、君もパルスは正面からいけるはず、裏取りせずコンパクトに連携!! と言いたいのにDecayのフィジカルの高さがこの記事にとことん逆らってます



リコール後、LIPにパルス貼られるもMAKAの鈴が救出



お互いULT吐き切るラストウェーブ。LIPとDecayがそれぞれ2K。Decayはパルスの意趣返し成功!



エコーのULT1つ分WACが多かったのでまずはドゥームコピーしたWACのポイント
試合通してエコー対決はHeesangに分がありましたね



ガーデン初動、サイドの小屋に潜むLIPをKALIOSとフォーカス。LIPは勝負せず、すぐ自陣に逃げます


Decayはドアを出た所集中スパムのもらい事故、リコールも切れない一瞬の出来事
事故かもしれませんが、これが味方のカバー範囲内でコンパクトに戦う強さ



リテイクは3ブリンク、リコール全て使ってハイリスクな正面圧力
ここもスキル残してローリスク、ローリターンを続けるLIPとは対照的
鈴を使わせることはできたのでイーブン



うまくJUNBINをフォーカスしますが



先にShuの狐が上がったためここは一旦ひきます



トレの攻めパターン一通りやったので、Decayもずっとサイドと正面で火力出し続けてる間にKaliosが2キル獲得
いいじゃん、Decayも正面で地味な仕事しろ


Kaliosと戦ってたLIPをオフアングルからキルするのも成功。ですが、またもHeesangがエコー格付け、TERUもルシオ慣れないのかJunbinに狩られる。リージャンタワーはWACの勝利


キルログ見ると正直トレーサー差ではなくエコー、ルシオ差でGenesisは負けた感あります。が、Decayが正面からひとつずつ片付けて味方をカバーできてたらどうだったでしょうか?

LIPは相手が裏取って5マガジン使う間に、こっちはスキル温存しながら正面で7マガジン撃とうという具体的に細かな詰め方をする。Decayと比べるとむしろ正面でヒールやカバーもらいながら戦う方が簡単で安全に見えませんか?

LIP Decayとは関係なくもう少しマクロ面で言うと
ペイロードやプッシュも普段コントロールで戦うようにコンパクトな展開とカバー連携のラインを意識して戦かおう。ということ

競技シーンに置いてコントロール戦は、たまに格下チームでも上位チームからMAP取れます。それはお互いのチームがコンパクトに展開し、裏取りにも時間がかからないため自然とダウンタイムが発生しづらい、連携しやすいMAPだからです。純粋なフィジカルと連携の勝負になる。Decayのようなフィジカルがないのであれば、LIPのように安全に敵よりも多くマガジン撃ち、細かな動きと連携ラインを詰めていきましょう



キングスロウ防衛。Decayは階段流れてくる敵を見て裏取りを選択



裏取るDecayに一発当てて追い返すだけで5vs4になるのでWACの勝ち、、
なんだけどLipの1発は外れ


HeesangはDecayにヒット



しかしLIP Heesang 2人の注意を引いて大パック回復したことで味方のファーストキルに繋がりました。Decayの裏取り大成功!



2wave目。またもWACは階段へ流れてきたので裏取り。今度はHeesangが遅れてるのでChoisehwanと2人でフォーカス



Heesangは奥へ逃げてガス欠の2人はこれ以上追えません。
Heesang1人に対して裏に2人使ったということは?



はい。その数秒間で正面が3vs4になりタンクのKaliosが落ちて終了です。

OWの裏取りは正面落ちるリスクのほうが高い

DecayはフィジカルこそLIPに劣らないものの、愚直に安全に5人と連携取り多くのマガジンを撃って火力出すLIPに立ち回りで勝てません。Decayはあくまで自分のフィジカルでハイキャリーするための立ち回り。LIPはチームのWave勝率を確実に底上げするための立ち回りです。



第2ポイント、流石にこの通路詰めてきたシグマをトレーサーでは相手できないので



裏行くとLIPとかちあい牽制。しかしLIPは調和もついてアナのヒールも通ってるので



下から足音消して周りたかったが、2階からはLIPの牽制、裏通路はチャージショットChorngと八方塞がり



キングスロウ第3は裏取りしにくい構造。Decayも正面から戦わざるをえなく、シグマを倒そうとスキルフルに使い、リロード中敵弾交わす頭の振りも含め戦う姿は必見。調和一つで通路のシグマを追い返すDecayやばすぎ! 正面でも強すぎるじゃん!!



ペイロードも敵も正面から止め、とんでもねえハイリスクフィジカル


この試合2回目のトレーサーパルス撃破! ほんと凄い選手
トレーサーで第3ポイント正面を戦ってもクソ強いぞDecay!




味方がやられてもキルできたらリスポン有利。第3Waveも個人技で守り通す!



4回目はLIPとサイドでお互い調和対決のつもりでしたが



ペイロに乗ったChorngからのクロスファイア
シグマではなくコンパクトに展開するLIPがその通路にいるということはもうこの通路が敵陣地になるとこまで押されてました。フィジカル天才Decayの限界。GG。


この後の攻めもエスペランサもありますがHeesangエコーにメタられるため割愛

気になる方はこちら

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もう一人比較したい選手がいます


2023 No1トレーサー Stalk3r


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もうスマホで表示されない数のスクショ貼ってるので文字で簡単に評価すると、
LIPのようにひたすら正面オフアングル選んで、裏取りは一切しないDecayです!


LIPはところどころソンブラの距離減衰開始15mで撃ってるときがあって、トレーサーの減衰開始は10m(S9開始時のこの試合は12mだった)。Stalk3rはブリンクは消費せずそこから10m内に一歩踏み込んでます。Stalk3rの動画も「もっとこうしたらもう1マガジン多く撃てるかも」「もっとこうしたらヘイトひとつ多く奪えるかも」「もっとこうしたらダウンタイム減らせるかも」と批判的な視点で見るとより学びになるでしょう



OWLは各地域のTire2からトップ選手ばかりを集めたためか、LIPやStark3rのようダウンタイム減らして正面から火力底上げする選手は少ないかもしれません。Tire2じゃフィジカルでどうにでもなったし、Decayなみに裏取り刺さった体験も多いから


上海の先輩でGoatsを倒し優勝したスナイパーヒットスキャンのDiemは、3年連続エキシビションウィドウ大会優勝するほどの最強ヒットスキャンでした。しかしなぜかDiem のアッシュで FLETA FATE VOID JLG Izayaki で組んでも下位チームにすら苦戦



ところがLIPのアッシュだと上位チームにも勝てるんですよ
スナAIMの腕はDiemだって超一流なことは何度も証明されてるのに

2人の違いはDiemがウィドウのようにじっくり確実にキルを狙っていて
LIPはひたすら削ってダメージ出しまくる運用の違い



何でもできるFLETAは確実に生き残ってファイナルブロウを得意とする選手で、2020年は「FLETA IS META!」と最大限評価されシーズンMVPに。しかしダメージ出しまくる選手ではなく、LIPの目立たないソンブラがひたすら体力削ってFLETAが最後に狩るというチームでした。1人でファイナルブロウ狙うDiemが相方だと体力削るプレイヤーがいなくなりFLETAの役割が死んでしまいます。DiemもLIPと組んだプレイオフはむちゃくちゃ暴れてたのでどっちにも相方LIPが必要だった



OWリーグには裏取りがとてもうまい選手としてCarpeがいました
初期は特に比肩するプレイヤーが少ないこともあって
トレーサー、マクリー(キャスディ)、ウィドウでとんでもない逆転クラッチプレイを連発。2018初年度は準優勝です

Carpeはもちろん凄いんですが、逆転クラッチプレイが多いというのは裏を返すと
Carpeが裏を取ってる間に正面のチームが死んでるということです、、、
その後とんでもないオフアングルAIMが発生するから凄いプレイが量産される
OWのマップで裏取りパターンは限られるため、そのうち各チーム慣れてCarpeの裏取りを潰したり追い返せるようになった事で活躍の場が無くなっていきました



でもCARPEは現在VALORANTで大活躍中。ヒールもタンクもないVALOなら裏取ったり一撃必殺のAIMが最大限いかされそうです。


もう一人、裏取りトレーサーとして2018年大暴れしたNYリーダー
SAEBYEOLEBE(せびおび。さぇばぃおるび?)

JJONAKもいたNEW YORK Excelsiorというチームが、敵の攻撃やULTをいなすことにかけて全チーム1の練度を誇りました。
敵がスキル使い果たせばカウンターは簡単。敵が仕掛けてこなければジリジリと時間かけて詰め、その間にJJONAKゼニが抜くという圧倒的勝率1位のチーム。(優勝は逃したけど)

ですが、リーグ3年目からNYは勝てなくなります。
JJONAKにさえ気をつければよい。スキルを吐きすぎず無理して仕掛けなければ、SAEBAYEOLEBEの裏取りトレーサーは何も怖くない。守りは固くても攻めに時間ばかりかけ、ダウンタイムも長く、敵を崩すようなダメージが足りませんでした。


「OWに裏取りはいらない」まとめ


1.
なにも敵のシグマバスティオンウィドウハンゾーアッシュキャスディに対して正面から突っ込もうと言うわけではない

2.
きついチョークポイント抜けるのにサイド取らないのもおかしい
リテイクはリスク必要

3.
人数不利のときULT無しで正面から当たっても勝てるわけない
一度逃げて通路で人数不利を埋めるランチェスター戦略を取ろう

4.
防衛でセットアップの時間あれば裏に隠れるのは有効
でもすぐに自陣に帰ってきてね?

5.
その対策として攻め側はサイドのクリアリングも必要



それ以外、ほとんどの場面で裏取りいらない
まず正面のあたりあいで勝つのが一番シンプルで一番大事

6.
OW1と比べ盾も減ってより正面の火力は通りやすくなった


7.
ダメージ阻害15%でDPSが弾をばらまく事の価値が上がった。LIPの高回転マガジンはまるで環境バフ


2019年に一度Goats構成でこのゲームの答えは出ていて、2020年からLIPが個人のダウンタイムを詰める教科書みたいな動きを提示してくれています。Goatsのようにお互い連携取れる範囲でカバーしあい、各ヒーローダウンタイムをミクロに詰め、絶え間ない15%阻害火力とカバーでエリア広げていこう。

 


FPSにMOBA要素を足したのがOWとも言われるけど、別にミニオンもタワーもビルドもドラゴンもないじゃないですか。じゃあ裏取りでレーン分けずに常に5人で当たったほうがいいよね?


正面で戦えばいいと考えるとこのゲームはとてもシンプルで、前線で超高速集団戦するのは、はるかに忙しい。1秒ごと、トレーサーのワンマガジンごとに展開やターゲットがかわるし、キルよりも自分が最大限火力を出すのが目的ならフォーカスコールもあまりいらないかもしれない。LIPとStarK3rがいたATLは他のチームよりコール少なめに見えた。


トレーサーやDPSだけの話でもない。タンクもサポートもずっと仕事できるようダウンタイム減らすためにどう動いて火力出せばいいか考えてみよう。2021にLIPのいる上海は優勝したが2022のレベルになるとLIPだけではダメなのだ。5人全員がダウンタイム減らし仕事し続けられるのが理想。


ドゥーム、ウィンストン、ボールはコンパクトではなくもっと広く展開できるが、その分射線上の連携が難しくなる。それもチームや野良相手にどうダウンタイム減らせるか考えるのも一興。


足の遅い連中はすぐ射線が切れて仕事できなくなりダウンタイムが発生する。なんなら角から顔を出すのも大変。極論いえば360度撃たれるほど前に出れば360度敵を撃てる。それはさすがにアホだけど、Goatsのゼニみたいにタンクの5m後ろに張り付くレベルで前に出るべきかどうか。LIPみたいに敵のどの射線を先に牽制して引っ込ませればリスク減らして前に出れるか、、、


www.youtube.comFinnの動画1分30秒頃
視聴者の質問「キリコはサイド取った方がいいの?」に対して
「自分はフランクやらない派」と答えてる

これまでキリコはヘッショ2発で敵倒せるため、裏に隠れてたりサイド取ってワンチャン狙って帰ってくるフランクが推奨されていた

TOP500サポート暫定2位のFinnはあまりそれをやらずにヒールと正面火力を重視し、神鬼出没や鈴を大事に取っておく。シーズン9にHP250になったことでヘッショ2発とボディ1発が必要になった今、なおさらサイドや裏取りの重要性は減ったかもしれない。


なんなら昔はアナの裏取りだってあった。瓶(60)とメイン2発(140)でHP200を倒せたしスリープもあったから。パッチで90になった瓶あてても、まだメイン3発必要なHP250環境ではほんとに無駄だ。


Q「これは競技シーンの話? ランクマにもいえる?」

ランクマは競技よりもバラバラに展開しがちで連携は取りづらい。でもコントロールがまとまりやすく、みんなつかず離れずのオーバータイムペイロードにおける奇跡的な野良の一体感からすると、野良のランクマにも言える。


Q「裏取り楽しいんだけど?」


正面の味方死ぬリスク増えるだけで、フィジカル差あればいける。
DecayやProperの「俺が背負ってやる!!」という爆発力はかっこよすぎる。

ランクマはDuoやパーティで裏取り連携できれば有利。
しょせんゲームだ。競技の勝率より好きなプレイスタイルを選ぼう。


Q「ほんとクソみたいな裏取りして正面見捨てる味方が嫌なんだけど」

諦めよう、人の心は自由だ

野良で裏取りする人がいたらなるべくタイミングと交戦場所を合わせて、こっち側に戻れるようにしてあげよう。


Q「相手のトレーサーが格上でミラー正面勝てないなら裏取りリスク取った方がいい?」


正面からコンパクトに展開するコントロールMAPこそ格下チームが少しでも勝つチャンスなのでむしろ正面から戦え。

1vs1で勝てないからこそチーム連携の上ブレに期待してぶつかれ。カバーするサポートやタンクは味方が格上かもしれない。相手が裏取りしてたら正面人数有利になるタイミングもある。負けても正面のミクロを詰める経験値積む方が伸びる。


Q「OWリーグのトップチームはこういうのみんな理解してるの?」

いや全然。

Decayはセミファイナル選手だし、ShyのSparkはOWL3位でワールドカップ準優勝。トレーサーもルシオもキリコも優勝チーム、準優勝チーム トップ選手それぞれでみんなスタイルが違う。ta1yo選手はヘッドコーチにアシスタントコーチ2人、選手それぞれでみんな違うこと言ってたと話してた。

リーグ戦はLIPやStalk3rのように安定して勝っても、プレイオフトーナメントはゾーンに入って実力以上の爆発力を出したチームが勝つ事があった。勝率1位の常勝軍団だったNYや上海やATLがプレイオフのゾーン入ったチームに負けた例はたくさんある。


OWLアトランタもワールドカップ韓国代表も敗北したんだ。
必要以上に韓国や元リーガーをリスペクトしすぎないほうが実力を発揮できる。



この記事の考えはあくまでLIP Stak3r プレイスタイルの一部だと思って欲しい。二人のソンブラ、トレーサーの勝率とスタッツは頭2つは抜けてリーグ1位だが、上海やアトランタ選手がみんなこういうプレイスタイルというわけではない。

つまり、LIPやStalk3rがこれまでやってきたスタイルが必ずしもこの先のOWの正解ではないかも。そのうちどこかのプロ選手がもっといい答えを思いつくかもしれないし、新機軸のキャラや新メタで覆るかもしれない。「裏取り禁止」までいうとまだ見ぬプレイスタイルの可能性を縛ることになる。


正確には裏取りがダメなんじゃなく、たった5人しかいないのだから、ダウンタイムを極力減らし、敵のエリアを削りつつ、射線を増やし、火力ずっと出すために、お互いの連携とカバーラインを増やすために、近くで戦い、(それなら正面で) 勝つ技術を磨こうという話でした。


果たしてここまで読んだ人がどれだけいるかわからないが、ここまで付き合ってくれてありがとう。