1年ぶりのAIM考察。
わりと多くのゲーミングマウスはソフトウェアでX軸とY軸を別々に設定できる。
例えばこれはRoccat swarmでのKone Pure Ultraの設定。
FPS(OW)はじめて4年たつがXY別々の設定は良くないと思っていた。
例えばマウスをこう右上に動かしても
1:1でなく1:2で上に移動してしまうからだ。
これでは正しいマウスの動きを体に覚えきれないと。
しかし1時間ぐらいボット撃ちするとすぐなれた。というかむしろキャラコンが楽である。真下に撃つロケットジャンプも当然やりやすい。
自分の真上を2段ジャンプするゲンジや、上空飛ぶファラもすぐ反応しやすい。
考え直してみるとY軸の移動量増やすのはありなんじゃなかろうか?
そもそも手首という支点はFPSやるうえで横にしか動かせない。
次の支点となる肘や腕支点も横にしか動かせない。
縦の動きは上腕や肩の筋肉を使ってやることになる。
これは大雑把で繊細ではない。
つまみもちなら、マウスと手に隙間ができるので指で縦の動きを少し補完できるだろう。かぶせやつかみでも微調整はあまり動かせない指だろう。しかしよほどのウルトラハイセンシでなければ、リコイルコントロールに使うような微調整にすぎず、縦の動きのメインはやはり腕だ。
つまりマウスと手の関係は横は大きく繊細に動かせて、縦は弱い。
ただそれ自体はFPSとして都合が良い。
FPSの代表とされるようなCSGOでは、ヘッショラインが同じで横の精度こそが物を言うためOWほど縦の動きが必要とされず、手首や肘で動かすマウスと相性が良い。
ただOWは事情が違う。8割以上は水平ラインの戦いとはいえ、キャラによってヘッショラインも違うし、入り組んだせまいチョークポイントを高台から急襲という場面はあちこちで見られる。縦の動きへの対応が重要だ。
特に今(パッチ1.49.1)はゲンジが大きなバフを受けてるうえ、竜撃剣は迎撃されないよう直上から剣を抜いて飛び込んでくる。
FORTNITEに至っては、建築があるため通常のFPSではありえない高台の戦闘が起こりがちだ。
ゲーム終盤、マウスで対抗するにはもっとも難しい直上射撃。
そして今夏UBIからリリース予定のFPS「HyperScape」は高い屋根からダイブしまくるUBIアサシンクリードをApex化してさらに高速にしたバトルロイヤルが出てくる。縦の動きがとんでもなく激しい。
各ゲームでプロに好まれるマウスに違いがあるのも面白い。
横の動きが重要なCSGOはフィット感抜群なZowie系のマウス。
BenQゲーミングマウス ZOWIE EC2(ブラック/3360センサー/光学式/USB有線/ドライバーソフト不要/4段階DPI/5ボタン/右利き用/90g/中サイズ)
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敵も(ヒールする)味方も縦横無尽に飛び回るOWでは安定していながらぶん回しやすいLogicoolのワイヤレス軽量マウス。
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高台建築のあるFortniteでは当時軽量化マウスの最先端をいって一番軽くぶんまわしやすいFinalmouse。
Fortniteの人気の高さを受けてか、ZOWIEも縦の動きを考慮して従来のシリーズより少し手元に引き込みやすいS2シリーズを展開し始めている。
BenQゲーミングマウス ZOWIE S2(ブラック/光学式/USB有線/プラグ&プレイ/4段階DPI/5ボタン/右利き用/82g/Sサイズ)
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こういった縦の動きも重要なゲームにおいて、手首や肘の力をまったく頼れないY軸のDPIを上げるのはありなんじゃないかというのが今回の仮説。2倍ぐらいだとすぐ慣れてPCの普段遣いも問題ない、、どころかワイドモニタを縦に重ねてたのでPCも使いやすくなった。
もうひとつ言うと「人間という的は縦型」である。
横の的は細く、縦の的が大きいなら、Y軸DPIを上げる第2の理由になるのではないだろうか?
私は最近eDPI 16000というウルトラハイセンシにチャレンジしていたのだが、これを思いついてY軸2倍でいつものゲンジボット撃ちをしてみた所、
X eDPI: 11000
Y eDPI: 22000
で、いつも以上のパフォーマンスが得れた。
思うに16000まで上げてたのは、振り向きで16000が欲しいわけではなく風切りして2段ジャンプで真上を取ってくるゲンジを倒したくて、「Y軸が欲しくて」DPI上げてたわけだ。
(ゲンジに真上取られる時点でそもそも立ち回りやピックが悪く詰んでる、というのは置いといて。)
これはまだ試したばかりなので、Y軸の増加量は調整の余地あると思う。ただここで重要なのは「自分が無意識のうちにY軸の限界でDPIを決めていた」ということ。Y軸を増加したことによって X軸は16000 から 11000に落とせている。(ゲンジ討伐諦めたらもっと落とせる)
OW、FORTNITE、HyperScape を例に上げたが、例えば今大人気でCSGO系列のVALORANTなども無意識のうちにY軸でDPIの限界を決めてるなら、さらにX軸DPIを落とせるのではないだろうか? 低DPIが有利といわれるゲームゆえX軸落とせるなら試す価値あるかも?
僕はOW以外やってないので仮説でしかないが、室内戦で床や天井もぶち抜けるR6Sなんかはどうだろうかとか。
ただ、OWグランドマスター帯の人は縦AIMにもそう不満ないぐらいマウス振り回せてるので、まだAIMがものになってないゴールド以下の人ほど効果高いと思う。グラマスで今更ウィドウのエアフリックショットの感覚違ってくると困るだろうが、ゴールド以下はそもそもそんな芸当できないので。
日本語のAIM記事は4年間いろいろ見てきたがY軸に言及するものは観測範囲になかった。過去のAIM研究ではeスポーツとしてのOWやFORTNITEなどがまだなく、そもそもドライバレスのZOWIEや名機Xtrfy M1では設定しようにもできず、CSGOが中心だったこともあるだろう。CSGO以前はブログで書く人も少なかったがアーカイブが残ってないか。
プロレベルは「縦にもマウスを大きくぶんまわす」というフィジカルを高めた運用や、「そもそも下から不利になる立ち回りを極力避ける。上取られたら負けなので縦のセンシはこだわらない」という考えで充分対応できたと思う。もちろんハイセンシを使いこなすプロもいるだろう。
ただアマチュアやカジュアル勢なんかは、無理に手首と肘に逆らわず、Y軸上げることである程度対応してもいいのではないかと思える。もともとY軸は動かしにくいものだし、初めからY軸増加に慣れておけば、それでプロにはなれないなんてことも無いはず。
ただマウスは選ぶ事になる。
ざっと手持ちマウスのソフトウェア見てみると、先のRoccatはじめ
DreamMachine、、というかこれはFinalmouseにも非公式で使えるDM1 ProS のソフトウェア。こちらはY軸設定OK。(UL2 もこれでいけるが、この先のFinalmouseで使えるかはわからない)
G-wolves HATIもY軸設定OK
RazerのSynapseもY軸OK。マウスはNaga Trintyで確認。
ロジクールもできたような気がしたんだけど、、新しいG HUB(ver 2020.4)には見当たらず、、
ロジクールゲーミングソフトウェア(ver9.02.65)でもY軸が見当たらず。
(手持ちマウスはG900とG300S)
こちらのブログ見るとやっぱり昔はY軸設定できてたようなんで、「ソフトウェア統計的に誰もY軸設定つかってねーからいらねーな」と削除されたんだろうか?
うーん、でもこれ設定できないと個人的にはロジ買いづらくなるかも。
先程のKone Pure Ultraは設定できたんですが、、
同じRoccatのKAIN 200 AIMO にはないですね、、、
なぜだ、ゲーミングマウスでセンサーも同じOwl-eye 16Kなのに、、
マウスごとにできたりできなかったりも調べづらいし厳しいな。
エレコムのゲーミングマウス、ARMAも残念ながらY軸見当たらず。
ZOWIE、Xtrfyはそもそもソフトウェアなしと。
「縦の対応がちょっと苦手」
「ローセンシなんだけど机の縦幅の都合上これ以上センシ落とせない」
「縦は充分だけどもうちょっと横のDPI落とせるなら落としたい」
という人はXY軸見直して、慣らしてみてはいかがでしょうか?