beansgunのOverwatchメモ

ブロンズプレイヤーがAIM研究やオーバーウォッチリーグを楽しむブログ

キリコの強さを考察。キリコはOverwatchLeagueプレイオフのメタになるか?

他のサポートと比べ、瓶、スリープ、スピブ、不和、火力、蘇生、バーストヒールといった尖った性能がなく、機動力とクレンズ(鈴)で戦うキリコ。モイラの押し引きに近い中途半端な立ち位置ですが、モイラのバースト火力やバースト回復に使える万能オーブもありません。

クナイはいくらヘッショ3倍でもわずか40ダメージ。
1発0.55秒、DPS換算72。
モイラのグラスプ50ダメージよりはましでも、弾速遅くオートエイムではないので期待値はモイラにすら負けてサポート最低火力。
かなり心もとないです。

特にOW2ではサポートも火力を求められ、ルシオの追撃ファイナルブロウも重宝されます。リーグの一瞬でファーストキルとるチームファイトではバースト火力、バーストヒールが求められ、キリコはどちらも物足りません。


この記事書いてる今はキリコランクマ実装5日目。各地域トップ10です。
短い期間でキリコメインは3人。
3番目に使う人も含めると30人中5人。

尖った性能がなく「構成として、カウンターとしてこれをやりたい」という明確な主張に乏しいキリコピックは編成上困る人も多そうです。キリコはバリアを割ることもできない。

 

それでもきっとリーグではメタになる。


レイオフに適用されるだろう次のハロウィンパッチがリークされてます。

d3watch.gg

ソンブラ

  • ハックによるアビリティ阻害時間が1.75秒から1.5秒に
  • ハックされた敵はハック持続中再びハックされることはなくなった
  • ハックされた敵へのソンブラの与ダメージが40%から25%に減少

ゲンジ

  • ゲンジの最大弾薬数が30から24に減少
  • 手裏剣のダメージが29から27に減少

ザリア

  • バリアの持続時間が2.5秒から2秒に
  • バリアのCDが10秒か11秒に

DVA

  • メイン武器の拡散値が3.5から3.75に増加
  • ブースターの突進ダメージが25から15に減少

 

ソンブラ、ゲンジ、ザリアは大幅にナーフ。
もしかしてザリアはそれでも選ばれるかも。

Dvaは拡散と突進ダメージぐらいのマイルドナーフ。


プレイインはほぼザリアメタでしたが、ザリアが使えなくなる前提ならこの3人がプレイオフの中心タンクと予想されます。


これを前提にキリコの強さを検証していきます。

結論から言えば「マーシー」と「モイラ」を足した「強力な回復特化型サポート」です。
「継続回復」がサポートNo1レベルで強く「クナイ」に頼ると弱くなります。


キリコはモイラやマーシーのいいとこ取りしながら、
回復 (御札)
サポート (鈴)
機動力 (神出鬼没、壁のぼり)
火力 (クナイヘッショ、お狐様)
サポートに求められる4要素全てを満たし、5v5のOW2用にデザインされたヒーローです。


これまで回復、サポート(イモータル)、機動力(ジャンプ)、火力の4要素を持ってるのはバティストだけでしたが、横の機動力はなく、遠距離回復もできないため決して万能ではありませんでした。正確には(近距離範囲)回復、サポート、(縦)機動力、火力という制限。


キリコとカテゴリが近く、回復力、機動力、フランカー牽制、オーブ火力、ULT火力となんでもできるモイラ1番の欠点は、サポートなのにサポートスキルを持たないことです。鈴、スピブ、阻害、スリープ、イモータル、不和、ウィップ、自分で体張るバッシュなどがない。 


マーシーの蘇生とブーストもOW2のサポートスキルとしては弱い。



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快気の御札
1枚13回復
2枚セットで発動0.2秒
10枚フルで130回復 1秒
リロード0.667秒
リロード込みのHPS 78 (ヒールパーセコンド)

追尾する御札は黄色くなりますが、このサークル範囲に味方を入れるぐらいのトラッキングAIMが必要になります。追尾なのに意外とAIMキャラ。青い御札は追尾しませんが偶然味方に当たればちゃんと13回復。フルヘルスの手前味方に御札が当たっても通り抜けて奥の味方に偶然あたることも。

照準をサークルかデフォルトにして精度表示(自動で大きさ決まる)をONにしてるとちょうどよいサークルに。


御札のHPS 78 はアナのライフルと同等の回復力。

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アナは1発70。0.58秒。
HPS 87.5ですが、キリコと同条件のリロード込みだと77.77。(キリコ 78)

これだけなら瓶もあり、一発あててすぐ次の仕事できるアナの方が強いのですが、ここで継続ヒールの有無を分けるのが、壁のぼりと神出鬼没による押し引きの自由度。さらに鈴による多少の無茶が許されるところ。アナは壁を挟んだり高台から乗り降りする押し引きのヒールがすごく苦手で、壁向こうの味方は追いかけづらく分断されやすいです。


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マーシーはリロード無しで HPS 55。(キリコ 78)
レンジは15m (キリコ 35m)

リーガーならあのサークルで100%AIM可能。高台や自由な立ち位置からマーシー1.4倍のヒールを35m、2倍以上の距離に届けられる御札は確実にOP。(平均バランスを超えるOverPower)




キリコに似たタイプのモイラですが

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HPS 70 (キリコ 78)
レンジ15m (キリコ 35m)
オートAIMではないので味方にあてる実際の有効レンジは10mほど。
しかもガス欠するという欠点もあります。
こまめな管理と、足りないガスは回復オーブで補え、貫通ヒールという特性もありますが、バラけた乱戦になる事が多いOW2ではキリコが有用な場面多いでしょう。



このOP気味の御札を誰に使うか?
そこでさっきの3人が出てきます。

Dva アーマー 300
ウィンストン アーマー 200
オリーサ アーマー 275

ダメージ 一律30%カットのアーマーを切らさない回復力に御札を使う。
Dvaのアーマー300回復すればヒール390の価値。

HPS 78、35mレンジの高機動マーシーが高台からアーマーをずっと回復し続けたらまず死にません。
強力な継続ヒールは、アーマーに使うのが一番効果あります。
一緒にサポ狩りにいきましょう。
オリーサラッシュだったらアナでも一緒に動けそうですが、機動力高いDva ウィンストンがより相性良いでしょう。


ハルトも現状アーマー300ですが、ハルトメインで使うのはロンドンだけ。
ロンドンがどうキリコ活用するかに期待。


ちなみにレンジ35mなら地上からファラエコーを追尾回復するのも可能ですが、空に1秒視点を奪われるのが欠点。継続ヒール、瞬間ヒールには向きません。ファラエコーにはブーストも持って回復中の視野も広いマーシーがやはり相性いいかも。キリコは1秒空へ事前ヒール、1秒地上ヒールを交互に繰り返すなどの工夫があればあるいは?

 

 

声を大にしていいましょう。
御札の欠点は秒速20m。
自動追尾でも到着に時間がかかります。
最大35m先へ到着するのは1.75秒後。
御札が10枚全部張り付くまでにさらに1秒かかって計2.75秒。
遠くにいる瀕死の味方にはとても間に合いません。


この欠点を補うためには
「敵射線に入ってる一番最前線の味方へ、フル体力でも御札を貼り続ける」です。
10枚先行で貼ってれば130ヒール。
調和ついたゲンジがクソウザイように、マーシーより強力な紐(御札)がついてるゲンジもやばい。調和は壁で届かず、マーシーでゲンジについていくバカはいませんが、キリコは高台次第でヒール可能。期待値HP278の35mゲンジがキリコポケットで暴れてくれます。


「どんどんオーバーヒール」
他のサポートだと、フル体力の味方を回復しないのは当然として、ちょっとぐらい体力減ったタンク回復するよりも、アナもバティストも敵を攻撃してフォーカスする事が重要だったりします。これと同じ考えで遠距離クナイを投げるのは期待値薄い。


これまでのサポートと同じ感覚で味方の体力が半分切ってから御札投げはじめると

御札秒速20mのキリコは瀕死の味方を瞬時に回復するバーストヒールができません。2秒先の味方を回復するつもりで、フランカーのフル体力、タンクのアーマー全快を目指してください。OP御札を活かすには時間前倒しのヒールが必要。期待値低いクナイはしまっといて。



クナイの使い所

わずか40ダメージでも、大きな当たり判定とヘッショ120。
200族ヘッショ2発で倒せるのはゼニの不和ショットと同じ。
マーシーモイラの機動力で、ゼニに近いキルをワンチャン狙えるのは破格の性能。
でもチャージショット5発なんてのはできない。

つまり「近距離ヘッショ専用武器」として考えましょう。
ゼニと同じで敵フランカーを近距離で追い返すための武器です。

Twitterや、プロ配信でキリコクナイのスーパープレイがたくさん上がってますが、あれはウィドウのモンタージュレベルで、いいところだけ上げてるのです。あんなスーパープレイばかり狙っては、御札という時間差OP武器が活用できず弱くなります。

ただOW2は乱戦になりやすく、キリコじゃ勝てないタンクに追われ、神出鬼没で逃げた先にも敵がいて必然的に近距離狙う場面は多くなるでしょう。

あるいはウィンストンに神出鬼没で付いていく時も近距離ヘッショチャンス。ウィンストンは1回バリアあるので一緒についていけたら、オーバーヒールよりクナイかもしれません。


もうひとつ使い所としては、高台のクリアリング。
近距離ヘッショのみワンチャン狙えるのなら、高台のヒットスキャンに挑んだりおろしたりできます。

これもスーパープレイのたぐいですが鈴と神出鬼没を組み合わせれば、こっそり忍び込んで3発は勝負して逃げれます。クナイ判定大きいのでこの距離なら弾速も関係ない。ゲンジ得意な人なら狙っていいですね。


クナイの使い所はこの2つ。
「近距離ヘッショでフランカーの追い返し」
「近距離ヘッショで高台のクリアリング」

高台から安全にアーマー全快維持するのが強いとは言いましたが、ウィンストンと一緒に飛び込みハイリスクな「近距離ヘッショ」をワンチャン狙うかは自分のAIMと相談。


追記:

御札リロード0.667秒の間にクナイ1発0.55秒をフリーで打てます。

 
両方押しっぱなしだと2発間に合うとか。

d3watch.gg

両方長押しだと、クナイ2発目→モーションキャンセル御札ってところでしょうか。


「狐走り」
(Kitsune Rush、英語ボイス:Let the Kitsune Guide you! 訳:今日は狐粥よ!)

連射+50%
移動速度+50%
リロード+50%
スキルクールダウン3倍。(イモータルのように効果ないものも)
レンジ25m
効果10.5秒


御札で高速に溜まるお狐様を高回転で回すのがキリコの強さです。
ここもモイラに似てますね。
クナイでポーク(遠距離攻撃)するのは期待値ほどたまりません。

注意点として「狐走り」も「御札優先」です。
御札も連射+50%、リロード+50%になります。
自分がクナイ投げるために前出たら敵のいい的で期待値低くなります。
防御は上がりません。
それより狐ラッシュで無茶して前出る味方を、2秒先の保険として御札サポートしましょう。


「タンクが暴れたい場所に狐を走らせょう」
DPSが鳥居に乗って前に出ても防御はアップしないのでいい的です。
先にタンクを走らせ、タンクに1.5倍御札はりまくるのが安定。


「高台からお狐様を走らせよう」
ヒットスキャンに狐活用してもらいたい場合は、神出鬼没で高台ヒットスキャンのところに行って高台から地上にお狐様を走らせましょう。(ここにヒットスキャンはいませんが) 高台と地上両方に鳥居ができて御札も回せて効果的です。

ULTが必要な時に場所とタイミングは選んでられませんが、狙えるなら「タンクが暴れたい場所」と「高台ヒットスキャン」の所から走らせてみましょう。


瀕死だけの味方に「御札」じゃなく「鈴」を先に投げるべきか?

クールダウン14秒の鈴を安易に使っていいか難しいところですが、クレンズの意味はなくても投げていいと考えます。
鈴でもヒール50
味方5人まとまってたら250
1秒間攻撃スルー
敵へのノックバック効果つき

1秒攻撃スルーできる無敵はキリコの回復単体だけで考えると期待値薄いのですが、最大敵5人分のとどめスキル攻撃かわしたり、味方3人のカバーが間に合ったり、瀕死味方スキル上がる1秒のチャンスだったり、その1秒は最低1秒、最大10秒分の価値があります。

鈴は秒速35m。
35m先で瀕死の味方に投げても間に合いません。
そのときは神出鬼没で飛びこんで投げるかどうかのリスクも考慮しましょう。


追記:

 



キリコの考察は以上。

まとめるとクナイのスーパープレイを目指すキリコの期待値は低く弱い。2秒先を見越して最前線をオーバーヒールし、フルヘルス、フルアーマー維持の御札中心プレイが強い。その御札で稼いだお狐様を酷使するキリコが数字上OPかと思われます。リロード抜きならメイン秒間130回復。2秒先の未来予測できるなら御札だけでバーストヒール。

どうやってクナイを当てるかではなく、どうやって御札効果を最大にするかです。

キリコの価値に真っ先に気づくのは、どのサポートも極端にヒール中心のプレイをしてるダラス所属 Filederでしょう。キリコ担当かはわかりませんがリーグのメタではないモイラを活用する事が多い選手。

チームごとのキリコ解釈もいろいろあるだろうし、リーガーレベルのクナイならこの記事が正解というわけでもないでしょうが、各チームどんなキリコ構成になるかプレイオフが楽しみです。


Overwatch Leagueのチャンネルはこちら

www.youtube.com

 


追記: グランドファイナル優勝チーム、ダラス Fielder視点の動画が上がりました。

www.youtube.com

クナイの正確さ、神出鬼没、壁のぼりと最大限フル活用しつつ、敵ゴリラのジャンプにも、味方ゴリラのアーマー切らさないためにも、敵味方のデス・ブロッサムにもガンガン鈴使ってますね。


www.youtube.com

リーガーはリプレイビューワー見れるのでヒューストンコーチ Jakeによる他マップのFilderキリコ解説も上がってます。

クナイをほとんど使わないプレヒールスタイル。当たりあい前の遠距離ハラスよりも射線に顔出す味方へのプレヒール優先。当たりあいはもちろん最前線へのプレヒール。ウィンストンのアーマー維持させることの重要性。ヒールによるお狐様の高回転率。お狐様でもヒール優先。この記事とほぼ近い分析をしています。大接戦だったグランドファイナルの勝敗を分けたのはこのキリコのプレイスタイルの違いだとしてFielderをリーグNo1キリコと評価。

とはいえ対戦相手Properソジョーンのワンピック能力は回復を無視する凶悪さで、回復をFilederに任せたイキリChiyoルシオと、回復をリーグ1回すViol2tルシオの差もあってお狐様回転率はダラス有利でした。



2023/1/27 追記

overwatch2news.net


ML7は配信で、他のサポートによってプレイスタイルを変えると話していました。もしルシオがいれば、ヒールボット、チームベース、ULTファームのプレイスタイルでプレイするだろう。もしBap/Ana/Moiraがいれば、彼はultチャージのためのヒーリングを独占することはできないので、サイドに展開するプレイをします。


3ヶ月後の追記。
ML7が言うならランクマはこれが正解かもしれませんね。
ただし要AIM。